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非行鬼 ではありません。 飛行鬼 です。


ひこうおにというハンドルネームについてしばしば質問をいただくことがあるので、このページを作りました。

文章を寄せていただいたのは、謎のひらひらレディ「お蝶様」。イラストを描いてくださったのは「瑪瑙ちゃん」。お二方とも私と同じく美しく妖しげなものを愛する耽美派ガーデナー。黒い花を愛でる会の会員さんです。素敵な文と絵に心より感謝いたします。

ヒコウオニ(=飛行鬼)は『たのしいムーミン一家』に登場します。
ヒコウオニの棲家は世界のはてにある高い山のてっぺんにあります。その山は「すす」みたいに真っ黒で絹みたいにすべすべしていて、恐ろしくきりたっています。
家には、窓がひとつもありません。屋根もありません。そして、世界中から集めたたくさんのルビーでいっぱいです。
ヒコウオニはいつでも黒ヒョウにのって空を飛び回ります。そしてルビーを集めてまわります。
ヒコウオニはけっして満足しません。それは彼がルビーの王様を手に入れていないからです。彼の目は赤くて闇の中でもルビーを求めてきらきら光ります。
ルビーの王様は黒ひょうの頭くらいあって、中をのぞいてみると炎がきらきらしています。その炎はまるで生きているようにかがやきを変えるのだそうです。

以上がムーミン谷に伝わる、ヒコウオニのうわさです。ひこうおにというハンドル・ネームに逢ったとき、とても意外に思いました。それは、このハンドル・ネームの持ち主が私には、透明な色合いを持ち、均一な密度を持つけれども、重力に引き寄せられることなく、自分の好みの高度を保つことのできるひかりのかたまりに見えたからです。ルビーに執着し空を駈ける魔物とはとても思えませんでした。

私は、今回、ちょっとしたいきさつで『ひこうおにさん』の名前の意味について書くことになり、『たのしいムーミン一家』を読み直しました。そして、自分の中に大きな誤解があったことを知り、ヒコウオニの人物像に手直しを加えることになりました。

ヒコウオニは意外に情けないやつです。
彼はじつは、どんなことも可能な魔法が使えたのです、、、ただし、自分のためにはつかえないらしいです。
ヒコウオニは、結局、ルビーの王様を手に入れることができませんでした、、、だのになぜか満足してしまいました。自分の魔法で作り出したルビーの女王様で満足してしまったのです。これは、まあ、ちょっとした幸運な出来事があったからなんですが。

“ひこうおにさん”はルビーの王様を探しているのだと思います。それは、とっても厳しい旅でしょう。でも、たぶん、私の予想では、彼女はルビーの女王様で我慢してしまうような気がするな。そこがいいところなのかもしれない、、、と思う。

ヒコウオニはもう登場しません。ルビーの女王様を抱きしめると、それはそれはうれしそうな顔をして自分の棲家に戻ってしまったのです。
もう、彼の黒豹に乗って空をかける姿も、ルビーを求めてぎらついた目も見ることが出来ません。

ルビーをお持ちの方、“ひこうおにさん”に見せないでね。

 


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