黒葉さまには夕暮れがよく似合うのだ。
世の中には「あんなに元気で働き者だった人がどうして急に…」と周囲を困惑させる事がある。最近中高年に増加しているという「うつ病」などもそのひとつで、このやっかいな病は日頃まじめで頑張り屋さんな人ほどかかりやすいそうだ。（ちなみにわたしはダーリンから「絶対にうつ病にならないタイプ」と太鼓判を押されていることをここに発表しておこう。）
さて、よその庭では明るく振舞う頑張り屋さんである夏の花達だが、日陰の庭ではガクンとやる気が失せるらしく、うちではヒマワリもマリーゴールドもジニアたちも地面にだらしなく寝そべり、花数もほとんどなくなってしまうのである。
こういう時はうつ病の患者への対処と同様に、「やいやい」言わずゆっくり休ませてやるのが最良のてだてである（と言いつつ、じゃんじゃん支柱立てて無理矢理起きあがらせているけどね）。そしてあとは黒葉さまに祈りをささげるのである。
八百万（やおよろず）の神々が日本にはいらっしゃるのだ黒葉にだって何かが宿ってもおかしくはないだろう。わが家の庭では黒葉さまはムラサキゴテンやブラックイポメアになって姿を現される。様々な色合いの緑や斑入りのカラーリーフたちの間に降臨されて夏から秋の葉っぱだらけの庭をピリリと引き締めてくださるのだ。
黒葉さまのおかげで今年の秋の庭は何とか庭としての面目を保っている。
「ああ、ありがたや 黒葉さま…」 とその御チカラに心酔していくわたし。
そのうちわたしが「黒葉さまの水」とか「黒葉さまの壷」などのグッズをインターネット販売し始めた時には、どなたか止めてくださいね。
■ＨＯＭＥ