左:ちょっとだけいじくりまわされた庭の様子。
右:すっかりいじくりまわされてしまった庭。まわりの花壇の枠組もまるくいじくられている。
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事の始まりは、トレリスの上にずらっと並んでいる植木鉢だった。
植えるスペースが見つからず、「とりあえず」鉢におさまっている「ブルーベリー」たちである。
ダーリン曰く「水遣りの時、鉢底から流れる水のせいでトレリスの寿命が縮む」のだそうだ。
どうやら彼は、トレリスの上には鉢を置くな、と言いたいらしい。
いずれは「ブルーベリージャム」になるであろう彼らに、何てひどいことを!
参考:夫婦の思い入れを比較 ダーリン( トレリス > ブルーベリー )
わたし ( トレリス < ブルーベリー )
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表面上は穏やかを装った話し合いの結果、「それでは、ここに花壇を作ってブルーベリーを植えましょう」と、狭い庭の少し空いたスペースが選ばれた。
まずは、四角くレンガを置いてみる。・・・ちょっと安易すぎる。
ひし形にしてみる。・・・わざとらしい。
円形はどうだろう?・・・おっ、いいかも。
じゃあ、大きさは?
ダーリン「こんなもん?」
わたし 「いや、それでは4本植えるのは無理では。」」
わたし 「これくらいは欲しいなぁ」
ダーリン「水道の蛇口へつま先立ちでいくつもり?」
バレリーナのように手を頭の上に挙げ、くるくると回りながら蛇口へ向かうダーリンの姿がふと頭をよぎる。
178センチのごつごつした体を持つ、眉毛の太いバレリーナ・・・。
ダーリンは「統一感」と「幾何学的造作」を重んじる男なので、前からあった周辺の花壇をふちどっているレンガをもはがし、アーチ下の通路のレンガも組替え「あーでもない」「こーでもない」としっくりくるまでいじくりまわしている。
そこに、わたしの直感的(単なる思いつき)アドバイスもとり入れて、二人の納得のいく花壇が出来あがった。
しかし、出来あがってみると、それは「ブルーベリー」のイメージではなく、「少し大きめの木」が似合いそうな感じがした。
わたしたちは「どんな木を植える?」という話題にウキウキし、カタログを見るためやんややんやと家に入る。
その後ろ姿に、トレリスの上のブルーベリーたちが「オイオイ」と突っ込んだかどうか、のんきな夫婦は知る由もなかった・・。