秋は「穂」の季節である。なのに考えてみるとこれまでうちの庭には穂が1つもなかった。
というのも、わが家のガーデニングはおおまかに分けるとダーリンが「葉部門」担当で、わたしが「花部門」を担当しているから。そう、その通り(何も言ってないって?)これは明らかに「穂」担当者不在が招いた過失なのである。
その状況を案じてなのかどうかは不明であるが、北海道のねんねこさんが先物取引の投資として原種バラなどたっくさんの苗と共に黒米と黒穂きびの苗を送ってくれた。(先物はあずきではなく、まだ活着“予定”のクレマチス「日枝」の挿し木苗である。ねんこさんもギャンブラーだな。というよりボランティアだね。)
当初は穀物というよりグラス感覚でこれらを育てていたのだが、夏の終わりのある日出現した「穂」に思わずニンマリしてしまった。郷愁っていうの?つぼみとも実とも違う、なんだかじんわりとした感慨がわいてくる。「わーい!」っていうより「ぬはっ」って感じ。
「穂」発見の瞬間のわたしの表情はおそらくパッと見は悪代官風に口の端でニヤリと笑っていたことだろう。
わたしはこれまで庭の植物の構成要素として「木」「葉」「花」「実」の認識しかなかったのだが、穂が出現してからはここに「穂」を入れるべきかもしれないと思うようになった。庭に郷愁を漂わせたい人、もしくは意味ありげに不敵な笑みを浮かべたい人には絶対おすすめである。
※穂(黒米、黒穂きび、ススキ)が出た時の画像データが壊れてしまいました(涙)。上の画像はガス管に穂をぶらさげて乾燥させているようすです。